利益を出して税金を払う理由

社長専門コンサルタントの松田一郎です。

最近、顧問先に言われたことがあります。

コロナ禍の厳しいときだからこそ、利益を出して税金を払ってくださいとアドバイスされたことが、よく理解できると言われました。

この顧問先は加工業で、社長とは5年以上お付き合いしていますが、初めてあったときは元気がなく、会社を閉めるか続けるか悩んでいました。

出会った当時、お金もなく、十年以上利益を出していませんでした。利益が出そうなときは、色々と調整して赤字にしてたそうです。

話を聞くと、やれることは沢山あるのにまだやっていない状態でした。また、社長は真面目な方で技術力は高いものを持っていました。

今は会社を閉めることを考えず、1年ガムシャラにやってないことをやる。1年やってダメだったら、閉めることを考えることを伝えました。財務状況をみて、まだ1年は十分にやれると算段しました。

そして社長に1年間、死にものぐるいでやるという覚悟を決めてもらいました。

そうすると、お客さんから注文が増え、利益が出始めました。そして、3年で債務超過を解消し、健全な会社になりました。私は5年で債務超過解消目標を立てていたのですが、2年も早まりました。

覚悟を決めると、応援する人も増えてきます。会社を閉めるかどうかフラフラしている人に応援したくありません。この社長の場合、覚悟を決めたことで応援する人が増え、受注増に繋がりました。以前から、技術を納期には絶対の自信があり、顧客からも評価されていたことが、ベースにあります。

そして、久々に税金を払う時が来ました。初めは納税額にびっくりし、不満そうでしたが、何度も納税する意味を伝え、今では納税することが当り前であり、利益を出すのが当り前になりました。当然、合法的な節税はしています。

その結果、会社に体力がつき、コロナ禍で売上が減少しても、手許現金と条件の良い融資を受け、資金は全く問題ない状態です。

資金があるため、コロナ禍に人材募集と教育を進め、コロナ禍が終息したときの受注増への対応と、顧客先への営業も積極的かつ、余裕を持ってできています。

今、この顧問先には不安は全くありません。社長が次の手を打っていること、当面の資金力があります。先が見ています。

利益を出して税金を払う理由は、会社の体力がついて、不況時に次の手を打てるうようになるだけでなく、社長に自信と余裕が生まれます。心の余裕が大事です。

利益を出すと、赤字が当り前の負けグセから、利益を絶対出すという勝ちグセがつきます。勝ちグセがつくと、赤字になりそうになる前に次の手を打つようになります。

次の手を打つにはお金が必要です。だから、利益を出して税金を払う必要があります。中小企業の場合、お金を増やすには、税引き後利益を出すしかないです。中小企業の場合、増資などほとんどないからです。

毎年、毎年地道に利益を出して、税金を払うことが事業継続するための良いサイクルを生んでいくことは間違いありません。

とある顧問先の社長は、今期利益を1億円出したいと言っています。これが勝ちグセになった人の発言です。これくらいになると、ちょっとやそっとじゃ会社は、傾かないです。

以前、この会社は、倒産寸前で預金残が毎月10万切っていた会社です。

税金を払わないためにどうするかではなく、払うためにどう利益を上げるかを考えてもらいたいです。

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