社長専門コンサルタントの松田です。
自己資本って何でしょう?中小企業であれば、ほとんど資本金と利益剰余金です。
自己資本は、初めに出資したお金と税引後の利益が蓄積されたものだと思ってください。
中小企業は体力がないため、コロナ禍で自粛すると、潰れるとか、経営がもたないと言われます。
つまり、体力がない=自己資本がほとんどない、ためコロナ禍ような不況で、経営が急速に悪化し、倒産するのです。
体力があると、2〜3ヶ月自粛したって、借入なしで平気で生きられます。私が知っている会社では、1年間売上ゼロでも生きていける会社があります。
その会社は、めちゃくちゃ自己資本が厚いのです。
確かに中小企業は、大企業と比べ自己資本が薄く、体力がないです。でも、自己資本を厚くしようと思ったことがある経営者はどのくらいいるでしょうか?
私が知っている限りではあまりいないです。中小企業の場合は、税引き後利益の蓄積が自己資本を積み上げていきます。
つまり、納税が必要です。消費税じゃないですよ。法人税等です。消費税は預り税金なので、会社の納税ではないです。
利益が出ると税金を払いたくないから、一所懸命使おう!、節税を一所懸命やろう!として、無駄なお金をいっぱい使って、税金を減らします。
そうすると、税金が下がるのでやった!と喜ぶ経営者がいます。しかしながら、その分、利益剰余金は少なくなり、自己資本は薄いままです。
自己資本が厚い=キャッシュが手元に残ると考えてください。
私の顧問先では、顧問先により様々な目標数値があるのですが、自己資本UPを絶対目標にしています。利益剰余金を出す。つまり、利益を出して納税するということです。
自己資本が厚いと、キャッシュは会社に残ります。自己資本が薄いとキャッシュは、会社に残りません。
大企業は株価を上げるため、利益を出し、利益剰余金を積み上げていきます。中小企業は、利益を出たら税金を払いたくないので、一所懸命お金使って、税金を減らし、その結果、利益剰余金が積み上がりません。
中小企業の体力の少なさは、この自己資本を厚くしようという考えがないことが、原因の1つだと思っています。
キャッシュは企業の血液です。無くなったら終わりです。借りれば良いじゃん!と言われますが、借りたら、返さなければなりません。
コロナ禍でお金がなくなり、借り入れした場合、赤字補填分の借入が必要です。
赤字の補填は、黒字で返します。毎月50万返済なら、50万以上の利益を出してやっとトントンです。お金を貯めるには、50万以上の利益を出さないと貯まりません。
自己資本=お金があると、お金を借りずに蓄えを崩すだけで、借入金の返済に追われません。
返済のために利益を出さなければならないという、追われる経営をしなくても良いです。
無借金経営をしろと言っているわけではなく、自己資本が少ない状態で、コロナ禍の借入依存経営は危ないということです。
また、コロナ禍の先が見えない時にキャッシュが少ない企業と厚い会社の社長の心理状況は全然違います。
キャッシュがないとお金に追われて、不安になります。資金繰りに奔走され、良い考えや次の手を考える余裕もないです。
キャッシュがあると、お金に追われないので、心に余裕があるため、落ち着いて次の手を打つための考えや行動ができます。
そして、お金があると、次の投資もできます。実はここが大きいです。世の中が変化したとき、投資が必要なときがあります。
環境変化が大きいとき、次の手を打つには、お金が必要なときがあります。
お金がないと、次の手の投資が打てずにジリ貧になります。
先週末に見た番組で、有名うどんチェーン店が、緊急事態宣言後、売上が半減したそうです。通常のテイクアウト容器では、うどんがのびるのでテイクアウトは出来なかったようです。
そして、うどんがのびないテイクアウト専用の容器を開発したそうです。
2年前に容器を作るメーカーとテイクアウト容器の開発を検討していたのが功を奏したと、社長は言われていました。
テイクアウトを初めた結果、売上は80%台まで回復したそうです。容器を開発し、投入できる資金力が売上回復につながったケースです。
このようなピンチのときに、器を開発できる力は、自己資本の厚さです。
うどんチェーン店は、大企業なので、中小企業では自社容器を開発は難しいですが、小さいなりに投資はあります。
コロナ禍で設備投資をしなければならないケースとして、飲食の場合、レイアウト変更、換気設備の投資、メニュー開発が必要です。他、テレワークを推進するには、PCやネットワーク設備などなど投資が必要です。
環境が変わるとき、お金が必要なのです。自己資本の厚さが今後の会社を左右します。
自己資本を厚くすることで、生き残る確率が高くなります。
今は自己資本が薄いという会社でも、今からでも遅くありません。自己資本を厚くするという目標をもっていただきたいと思います。
中小企業の社長には、体力のある、不況に負けない、不況に勝負できる会社にしてもらいたいです。
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