パートナーコンサルタント 三枝 元(中小企業診断士)
東京都感染拡大防止協力金(休業給付金)や持続化給付金などの給付金が導入されたことで、給付金については広く知られるようになりましたが、まだまだ補助金についてはご存知ではない方も多いでしょう。今回は補助金の基礎知識と、「初めて補助金を申請してみようかな」という方にオススメの補助金をご紹介します。
◆そもそも補助金と給付金の違いは何か?
補助金と給付金の厳密な定義はありませんが、おおよそ次のようなイメージを持っておくと良いです。
○給付金
自分が対象者であり、かつ求められている書類を期限内に提出すれば確実にもらえる。
○補助金
・対象となる「取組」についての出費に対し補助金が出る。
・内容の審査があり、確実にもらえるわけではない。
・「補助金の趣旨にあった出費であり、その出費によって経営力の向上や収益のアップが見込まれるか」ということを審査される。通常、簡単な事業計画書を求められる。
・補助金の総額が決まっており、申請が殺到されれば倍率がきつくなる。ケースバイケースだが、採択率が8割のものもあれば、1割のものもある。テキトーだと落ちると思って良い。
・採択決定後に売買契約し購入する。補助金の支給はその後(つまり後払いが基本)。
なお、似たような言葉に「助成金」というものがありますが、給付金に近い性格のものもあるし、補助金に近い性格のものもあり、はっきりしません。
◆はじめての方にオススメの補助金
さて「せっかくあるのだから補助金の申請をしてみようかな」という方もおられるでしょう。はじめて補助金を申請したいとお考えの方にオススメなのが「小規模企業持続化補助金(コロナ特別対応型)」です。内容については公募要領を確認していただきたいですが、概略だけご説明しておきます。
<対象>
小規模企業や個人事業主
<補助金の対象>
・ホームページや広告、展示会などのマーケティング系の支出。
・ただし「コロナの影響で調達が困難になったので自前でやる(例:中国からモノが入らなくなったので内製化する)」「非対面型ビジネスを始める(例:飲食店がテイクアウトを始める)」「在宅ワークを促進する(例:テレワーク用にWEB会議システムを導入する)」といったコロナ対策関連の出費が支出全体の6分の1を占める必要あり。
<オススメ理由>
・申請書に書く事業計画の分量が、「A4で5枚まで」と少ない(通常の補助金は10枚程度)。
※定形記入項目欄は除く。
・おそらく倍率が高くない(通りやすい)だろうと予想(断言はできませんが)。
・その割には補助金の上限が100万円(ケースによっては150万円、200万円もあり)と金額が高い。
<提出期限>
8月7日郵送必着。ただし商工会議所(あるいは商工会)にまず提出して様式3という書類をもらわないと提出できない。地域によって異なるが、7月中が商工会議所への提出期限の場合もあり、確認のこと。
かなりざっくりとした説明なので、必ず下記から公募要領をダウンロードして確認してください。
<商工会議所地区>
https://r2.jizokukahojokin.info/corona/index.php/sinsei/
<商工会地区>
https://www.shokokai.or.jp/jizokuka_t/
どういうものが対象なのか、何を用意する必要があるのか詳しく書いてあります。問い合わせ先も書いてありますが、とりあえずがんばって公募要領を一読してから問い合わせてください(問合わせても懇切丁寧に一から教えてくれるわけでもないので)。
コメントを残す